だストレージ
いつもの会話にもう一品。
余剰知識の見本市。

カンタベリー・コラール カンタベリー・コラール

  • 音楽

イングランドにあるカンタベリー大聖堂にインスピレーションを得て作曲された音楽。
「コラール(Chorale)」とは讃美歌や聖歌、あるいは近年ではそれらに近い形式の音楽を指す言葉で、この場合は教会の賛美歌である。

ベルギーの作曲家ヤン・ヴァン・デル・ローストによって、元々はブラスバンド編成用として1990年に作曲されたものである。こうした楽曲のうちでは割と新しい音楽だと言えそうだ。※1
その後、吹奏楽版やファンファーレバンド版などが発表されているが、近年では様々な編曲者によって数多くの編曲が成されている。

浅学ながら私はこのあたりのジャンルに明るくないが、吹奏楽に触れたことのある人にとっては有名な作曲者だけに、この曲も知名度は高いのではないかと思う。
(一応かつて少し金管楽器やっていた癖に全然知らない私がダメなだけかも知れない…)

実際に演奏に触れたわけではないのだが、通して聴いてみた。
タイトルを知らなくても、メロディを聴けば覚えがあるという人も多いかも知れない。私もそうだった。途中で「ああこれか!」ってなった。

厳かな雰囲気から始まって、徐々に音が増え、盛り上がり、再び静かに収束していく。素っ気ない感想で申し訳ないばかりだが、そんな印象で、幾つかの情報や記事で見る評に納得というか同意である。
非常に俗っぽい言い方になるが「教会音楽らしく、かつ古い印象を与えない」というイメージを抱く。

コラールは元来、教会で人々が歌う為のものなので、一般的には歌いやすい音楽だとされる。

このカンタベリー・コラールも、深みを持って美しく澄んだ曲と評されるが、その特徴は持ち合わせているようで、楽器を演奏する人の見る譜面もパッと見はシンプルなのだという。
が、逆にハーモニーを上手く合わせるのが難しかったり、合奏の際のミスが目立ったりするなどシビアな面があって、コンクールの類では避けられがちだとも…;

そう聞くとこう、結果的に易しいんだか難しいんだか解らないというのが正直な感想なのだけど、まあ万事そういうものかもしれない。シンプルが故の厳しさのような。
しかし音楽そのものについて、作曲者の隠れた名曲であるとの評価や歴史的名曲であるとの呼び声の高さは、確固たるものであろう。

  • ※1:個人的感覚
  • TEXTS by

    Yuri Yorozuna
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