レモンクリームをスポンジで巻いたさっぱりしたロールケーキ。
ドイツのお菓子で、意味も直訳するとそのまま「レモンのロールケーキ」である。
“Zitronen-Roulade”、カタカナでの表記では「ツィトローネンルラーデ」とも。※1
……ドイツ語は何でもかんでも発音がカッコ良くなるな。ずるいぞ。必殺技かよ。
巻いていこう
レモンの皮や果汁から作られる「レモンカード」にメレンゲを加えて酸味の効いたクリームを作り、それを柔らかいケーキスポンジで巻けば基本は完成する。
スポンジ生地が表面にそのまま出ているシンプルな洋菓子である。
ロールケーキ全般に言えることだが、先ず何より巻いても割れない弾力あるフワッとした生地を作るのが重要で、中心をしっかり締めつつ形が崩れないよう注意して巻くのがポイントだという。
これは巻き寿司なんかも一緒だろうけど、綺麗に成形するのは慣れが必要そうだ。
カードありて香りあり
若干話は逸れるが、先ほどのレモンカードは、砂糖と卵黄に果皮や果汁を加えてペーストにした「フルーツカード」と呼ばれるものの一種である。
更にバターなどを追加することもあり、単に「カード」とも呼ばれる。※2
一見するとジャムやカスタードクリーム、ピーナッツクリームにも似ているかもしれないが、果物の分量や食べ方などでそれぞれ異なる。
イギリスなどではかなり一般的で、パンに塗って焼いたものはアフタヌーンティーのお供としては鉄板だ。
ジャム等と同じく、そのまま食べるようなことはないらしい。
日本ではあまり見かけないが、瀬戸内海沿岸や小笠原諸島など柑橘類の栽培が盛んな土地で、レモンやオレンジを用いて加工・販売している所がある。
紅茶やお菓子の材料、輸入品を扱う店舗のほか、そうした地方の通信販売でも購入できるので入手は難しくない。
ひんやり爽やか
本場ドイツやオーストリアあたりでは菓子店のほか、パッケージされたものも流通しているようだ。
日本ではいくつかの洋菓子屋やドイツ料理店などでツィトローネンルーラーデが販売されていることがある。
そうした店でもサッパリした風味からか、夏季限定であることも多いようだ。
これもまたロールケーキの多くに言えることかも知れないが、冷蔵庫で冷やして食べるのが美味しいという。ますます暑い季節に適している気がする。
個人的にレモン系のお菓子や飲み物が好きなのもあるので、是非探して食べてみたい。
食べ物系の記事が続いて食欲がどんどん増大されているここ数日の私である……。